…最初の形を思いだせない、という友がいた。
視界は全然違うのだけれど
その困惑に共感すると共に。
最初の形がどうあっても,もう思いだせないのは。
でも、それは、きっと誰もがそう。
わたしも最初の形は思いだせない。
今年の最初の
表情をさえ忘れてしまったと。何度も、思ったものです。
8年前の
『あの音』を再び奏でることは、むずかしいのです。
だから。
再び、視点を移すのです。
そろりそろりと、水から、空へ。
過去へ辿るのではなく。
想いだせない、遠い朝を追いかけるのではなく。
わたしたちは
”未来へ”
やがて美しさを探しはじめるべきなのだろうに と。
個人的に
こころの庭に
掲げるものなら、理想が、いい。
まだ来ていない空の青さを探して
月の虹を探して
踏みしめる乾いた大地の強さを探して
高い鈴音を探して
そろそろ。
そろりそろり。
優しい翼を描かなければならないのだということを。
すこし思い出す、木曜の夜。