何処かの黒髪が
対処しなければならない
激甚性悪な龍ではなく
つい目を離せば
たちまち他市へ遊興の「龍」ではなく
たった1日の後手で
他市の模様さえ染め替える性悪に
駆けさせるところだけを もしや見学するつもり、と
息切れはじめる漆黒を 時折 明晰なまなざしで見返す
「神龍」とは
天の意図を無視せぬもの
ひとならざる容姿に夢見たものが
はたして神であったものか
あまねく四市を
あるいは地上すべて みはるかす揺らぎなき神龍とは
もしや
霧中に息づくこともある
何をも砕かない 何をも連れてこない 遥か天にこそ還るものではなかったか、 と
遥天から
神継ぐものにだけ 時折 尾を見せる神龍を
黒髪へ 常に脅しをかける 牡丹へ誘うものと
よもや見間違えはしなかったか と
