花ばかり見ていた
決して比喩ではなく
花色さえまだ識別できない花蕾と
宝石の葉
宝石の蕾
花たちのさざめきばかり見ていた
花たちの会話は誰を刺すこともない
ここ二年
誰をさえ名指さない花こそ
地球にいちばん調和する生命
その花に押し入る勢いさえ不躾に
「こちらこそ花!」モードの靴音に
それはね
女性だけ追いかける人へのセリフ………….と脱力し続けて。
「こっち向きなさいよ!こっちが花よ!新しい靴よ!」
その登場に
脱力し続けた
わたしの二年間
「こっち向きなさいよ!」
……..ですから
羽鳥は
薔薇と桜と 黄色の水仙を愛でるもの。
花ばかり見ていた
