歳月が印象歪めていく

「無駄な色香がある人は好まない」
「いたな。昔に。無駄に化粧だけ濃い……」
「「温泉街」」

ふと言葉だけ同じ発音になるのは、どういうわけ。

「妓楼をあんたが褒めていた記憶が、ほとんど残っていない」

再び訪れたい土地があるか、と目で問う

「出会う前おおかた攫ってある。本土の一部を含めて。……..詳しく聞く気があるか」
「遠慮しておく」

あんたの記憶に強くとどまる場所など、
どうせ、ろくでもない

ーーー

そもそも薔薇の花弁浮かべる湯なら
春華と子に譲ればいい。子連れだけに限れば問題も起きまい

「子連れに小刀が不要とは、甘くないか。小飛。連れ子の場合が」
「そこまで勘繰るのはどうかと思う。子であれば見逃すと西では制定したばかり」

やれやれ、と肩をすくめる師兄が
存外、家族づれも子連れも容赦しない性質であると気付いて久しい。
思わず顔をしかめ

「子が減る西里など、東里の二の舞になる。
 散策から子を締め出して久しい
 特に美白にこだわる蝙蝠、こと杏が現れる湯など、もはや殺伐としかねない」

ほんとうの母子連れといちばん縁遠い、といえば間違いなく
蝙蝠。と、鋭くなるまなざしを隠しもしない飛に
銀灰まで呆れたよう。

いつまで喧嘩を売っている、と錯覚を聴いた気がした。

「…..どのみち刺客がいるからか。混み合えば」
「異臭騒ぎがあった。別の日に」
「逃れようと思わなかったか。筆記する前に」
「幸い、警告はあった。今宵であれば絶対に立ち寄るなと」

花の温泉町も、
薔薇風呂とやらも

母子づれに譲っておいたほうが血を見ない。
そもそも子を思う親が、刃物は危ういと教えるため
周囲から刃物が減る効果は得られると考える

「先般、そういえば青い花を贈られる話がなかったか」
「無闇に吸い込むな、触れるな、と紙一重と言った。第一その贈り主を信じるべきではない。忘れているか」

……..正直、東里の目指すところは知れない。
人影があきらかに減ることが目的と気付いてひさしいながら、

あったはずの人影が全て消えた街が好み、とは
絶対的に理想の設定がおかしいのだから。

「あのバチカンの殺伐が最終的な目的なら、むしろ家族づれのみ通行可にした方が」

賑わいというものは
家族連れが、つれてくる。その西里の方式で生来、問題は無かったように思われてならない

「茶も出てこなければ、湯も出ない街が好みか?
 近頃遭遇してばかりの、東の色白集団は、茶を出す娘、茶を喫する場所さえ
 減らしている。危機感は当然」

西里が春という季節に向く。という
大切な前提が消える前、
茶を喫する場所が、西に消失する前に

「蝙蝠と、蝙蝠周囲の色白をあらかじめ刈り込んでおくべきと考える。異存は?」

器の選別を、
故、老瀟と蝙蝠に任せてはならない。

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