西里。
正装は”白”
原作補足のように踏みだしてみます。雪夜でしたので。
おそらくですが
雪飛が「いつかは、褒めろ」と
いつの間にか 視えてもいない
”にゃひ” みたいなことを小さく訴えている、気が、しました。
ーーー
「こちらは、西里の”白”を選んだ。西里に咲く白花として還ると考えた。いつから黒龍まで背負った」
「……….」
「答えろ。こちらは西を背負った。銀白を演じると伝えたな。なぜ黒龍を飼っている」
「……多分、甥殿、と呼ばわる魔のせい」
「たぶん?」
「こちらの血脈に、俺の出生には、そもそも黒龍が確かに混じっていると言い聞かされた、せ、い…….?」
「信じたのか。だれかの詭弁と思いはしなかったか。いい加減、偽論と、勘づいているか。
祓えるか、今それを自分で」
「……一度や二度では、」「蛇足」
白い正装が、まぶしい、
昼の光が眩しい。逸れない眼差しが眩しくてならない。鳥の声をどれほどぶりに、聴いた………..?
かけらも許す気のない眼差しが、やけに眩しくて眩暈を堪えた。
逸れる眼差しばかりを、どれほどの間、見て。
顔色さえしれない真闇の温度を、
混沌を忘れるべきはこちら、と噛んだくちびるから血の味がした。
とっさに吐き気するのは、…….誰の血が混じったか、もう、わからないから。
ぜひに西里の主人に、と請うたこと。
まるで白い神仙のような、と春の日に双眸を伏せたこと。その遠さを、笑う。
「西に…..還る。どうあっても、還る。西に生を受けたこと
西に育まれたことを疑ったことが、たぶん、間違い」
そう、いつからどこからが間違い。
流れる血が黒く見えるのも、たぶん、気のせい。
「北からの妄執というものを断ち切るには、
あんたの言い様を見習うほうが、たしかによほど手っ取り早い」
あんたが白い花を枯らさなくなって久しい頃。
確かに今となっては、黒い血が、ひどく邪魔。
生まれた時、出逢った時、そして庇った時。確かに、まだ、それは紅をしていたと
目にした流れと、あきらかに違いすぎる色。
黒蛇の退治に、たとえ銀灰の力を借りなければならなかったとしても。
「世話になる。そのうち、きっと。それまでは」
あらゆる暗渠の黒を、
祓うまで消えることを許せ。







