20年来の銀髪に捧ぐ

「ああ、甥どの。性格の良い子猫をありがとう」
「こちらこそ。わざわざ南まで、すまない。ありがたく思う」

やさしく撫でて育てたら、やわらかな毛並みに育つはず、と、紹介したとき
いちばん攻撃的ではない子を選んだはず、と、思い返して微笑する

面影を探してしまうのは、いちばん小さい時を過ごしていたから。

(添い寝に最適なのはきっと子猫だから)
意外にあっさりと付き従う青年に受け入れられたことを懐かしく思う

「幸せそうな顔で、安心した」
「西の原産だと性根がいい。勉強になるだろう」
「『白龍』、あてつけが過ぎると思う。こちらは性格が柔和な子に行き合っただけで」


「……うちからの子猫もお礼に、と思っていたのだけれど読まれたかな?」


実は不思議な瞳の子が、先日、屋敷に迷い込んでね。と
嬉しそうに籠からひょいっと新しいねこを取りだす北里主人に、


……すでに厄介ごとの気配? と身構える。そんな春先。


「北側原産に、おまえは懲りていただろう」
「……..実を言えば」

その通り、と謝罪を口にした


まだ、あんた以外を引き受ける余裕は難しい
ふと途切れた意識は、誰のせい


(冬眠どの……俺に、何か盛るのは、もう何度目)


おかしい。およそ、一通り慣れたはずの陽の香りがしているのに

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