20年来、影響のあったマクシミリアンに捧ぐ。

「また小さいのに懐かれているか…….また、多いな」
「母猫と間違えられることが多い。なぜだろう」
「気が多い…….とは流石に言えもしない。一方的に懐かれている」

自然に苦笑しながら、あんたも1匹、飼ってみるか、と
ひさしぶりに何の翳りもなく微笑みかけてみた。長い手指に、比較的、しっかりしている子を置いてみる。

「まだ、どの子も同じような身長なんだ。名前もこれからの子に、名付けてみないか」
「考えておく。街の主人に似て性悪な児童に育たれるよりは、いいだろう」

毛並みは悪くない、と、言われることが最初から分かっていた。

ミャアミャアミャアミャア
か細く泣き続ける甘えぶりを「行かないで」に置き換えれば

「おいそれと出かけられない。早く帰ろう、と自然に思える」

目が離せない、
数時間も手が離せないことも、行方不明になられては困る、外においそれと使いにも出せない。それすら

「何を考えている」
「…..おかしい」 苦笑が止まらなくなったらどうしようかと思う

白い衣服に食い込んだ猫の爪を、やんわり、たしなめる。
(あんたに似ている?)


かんばしく薫る茶以外に気移りができない性質だったはずの、予定だったはずの、 この春を。



「…….小さいな。瞳どころか、手も」
「成人するまで育てれば、たぶん、四市それぞれも……….」


小さなあたたかみと過ごしていれば
たぶん誰の双眸もやわらぐのだろうから。

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