L_ 花を俎上に載せる _」
一部、保存をしていないymdから影響があります。
手元に不所持の「2005年」ymd寄せ表現が見られます。ご容赦の程を
おそらく先代 雪稀苑時点の回答の「最新解答」です(2026ver.)
春と琥珀に。
(リアルタイムやり取りはございません)
(読みやすさを考慮して、より短いSSも生成予定)
「先日お誘いしたこの街で君流の拳法では、ご飯を食べないという意味なのかな。
穏やかな暮らしとやら、憲法指南で暮らせない?
それとも、そろそろ君自身が食べられたくないとか。そういう意味?」
「そのいずれも」
首肯する。
めずらしく鳥の声がしていた。
数羽とは思うが、双眸の憂いが晴れるには意外に(開花も近い…….?)
苛立ちがかけらもない所作を、好ましく思う。
とても今更と苦笑するのだけれど。
ふ、と抜けてゆく風が優しさを帯びる
急かさない、ということ
いずれも「食べられない」
本当は驚きのない顔色を、とうに知っていた気がした。
「食べられるつもりはないと、答えておかないと」
あの銀糸が何を言いだすやら
「言いだされる、とは分かっていたのだけれどね…….」
当然と
嘯く口元に、何処かの誰かにわずか似通うと思い込めずに。
取ってつけたように困ったな、と呟かれても
この相手にほんとうは「未知数」なぞ少ないのだろうと、近頃思う
本当に驚かせることができる日など、来るだろうか。
鳥たちがずいぶんと、明るい
また、羽音。
「ほら誰も傷つけないよう、いなすだけの憲法って意義深いと感じたけれど…..? 転ばすだけ、追い出すだけって
ずいぶん興味深いよ。 少なくとも我らにとって」
戦力を削いでしまうだけで、誰も傷が残らない。
負傷させないよう追い払うことが基本と君が語ったわけ
それは、誰も欠けないことを念頭に置いていたわけでしょう。そろそろそれで、なんとか、ならなくはない?
「それは西里で十分通用してきた。それでもやはりこの街には………..全く向いていない。そう感じられてならない。
こちらの街は、まるで殺意自体が強すぎる。
殺気が消えていない相手を放置が、馬鹿げていた。
重ねて。ここで生まれ育ったわけではない、流儀は……….こちらで、最初から、もう痛感していたことだから」
俺の拳では軽いこと。
圧倒的に軽いこと。反して感情は重すぎること
西里とは、”殺意とは無縁のまち” 誰もかれも安心していられた、場所
そこで舞えていたという事実は、決してこの街にも
そのまま合うと感じられたことはない。力が軽い。拳の。
(たぶん、打撃も剣も軽すぎる。こちらの)(それは殺意の足りなさから来て)
「あなたは殺意をおさめるのが得意すぎるでしょう。違う?」
「違い、ない」
殺意を向けるべき相手がはっきりしているにも関わらず
それがーー出逢う意味、に繋がっていたのだと半ば腑に落ち始めて、いた。
殺意を閉ざすことが、わりあい容易だから。
この身ばかりは。
ーー花路。
呼ばれる声音に
叱咤を、聴く心地。
ようやく安定した視力で
透けやすい琥珀の瞳を安心して見つめていられるのは
この色以外の瞬間も目にしたことは、すでに、あるから。
「やれやれ。迷いは減った顔をしている。
とくに傷も残さず。転がすだけで、煙に巻くだけ。追い払うだけ。それは随分と
君だけの特技と感じているのは間違いないんだけれど? 不満なのかな。広まったほうが良くは?」
微笑が、あざとい。
どうして依頼も場所も提供できそうなのにね、と
君流の「争わない」とやらでは、だめ?と
残念そうな、そうでもなさそうな顔色に (ようやく、いつものあなたらしい)
「頂いたお話は、覚えておく。たぶん話を変えたほうが?」
少し微笑を噛んだ。
拳など、握りしめられなくなれば、何を求めれば?
誰かを打つでもない拳、に、どれだけの意味が?
危うさを呼び覚まされるのは
眠ったふりなど、この相手はとうに、やめているように思う
眠ったふりを辞めてしまった相手に
こちらが安堵に近い眠気を覚えるのは、どうすれば。
…………..近い。
困ったことに、次の感情の行先が、近い
する、と滑った手指に眉を顰めた
「あなたは、草郎どのを損なうつもりが、ない、と思っている。
そのように….全人員を思っていただくことは、難しいだろうか。この街では、すべて」
「それは甥殿ができること?」
……ほんとうに、この相手は。
1秒以内に答えられない問いばかりを、よく、おだやかに紡ぎだしてくれると、呼吸を忘れた。
指先を引き戻せない。
微塵も損なうことがないまま放置、で、は。
何も変わらない
「考えて。甥殿が、できること? 北里の人間すべてと草郎に対峙するように、ゆるり話せると? いつでも?」
「………それ、はさすがに」
はなから無理に違いない、と伝わっている言葉に
するどい笑みに、こぼれた言葉自体が誤っていたと悟る
「草郎とわたし、は置いておいて。
誰かさんの、目をえぐる、とやらを、寸前まで勝手に実行できていた部隊もすでに、あるようだけれど処遇は」
さあ処遇は。
ゆかりもないあなたの瞳を抉ることを実行していた手勢の「まとめ」
おおかたもう……..理解ができてしまった、後だろう?
冷たい手を心地よく思うのは
熱でもあるのかもしれなかった。
親代わり、でも、ないのだろうに。
安心を。するのは
(洗脳に、近くは、ないか)
安心安全でもなく
手指を離されない理由が、あまり、知れない。
ゆるされるなら、無言を。ただ無言を。
漆黒から色を少しばかり変えた双眸が、だれかのように移ろう
その事実に怒りも憤りも、あったものを
「その瞳をね。
的確に傷つけた相手、心あたりがあるね」
えぐみが、過ぎるでしょう。ひび割れる寸前の、その瞳
転がすだけ、そんなわけにもゆくまいよ、と
待っていた言葉を。どこか耳に優しく聴いて。
「双眸、とは…..生まれ持ったまま。地がひっくり返ろうが最後まで変わらないものと。信じ込んでいた」
あなたの手のほうが、たぶん、ずっと。
ずるい。
たなびいた髪先の不揃いを辿る手指に
眼差しを。素直に、伏せる。
去来する遠さを、どうしろと?
「………….世話が焼けるよ。実際あなたは」
竹を割ったような性格でも、ないでしょう。春が近づけば特に
時折ばかり、甘い花の香りに風向きが変わっていることを、知る
そう。
刃のようなやり取りをばかり強いられ的た理由が、たぶん、今少し遠い、あの銀髪。
「だれが、近いの?」
笑み。白い指先が左耳朶に触れよう前に
さすがに、払い除けた。面白がる声音をだれかのようと思う回路が、不快。
「………….遠くはない、が」
あなたが遠くはない。
それでも
刃でしかない言葉を控えたいのは、だから。
強情を。
笑われていた気がする。もう、ずっと。
名を呼びえず溢れる吐息を
……….名を呼び得ない、など。そんな日が来ることを、だれが予測し得た?
名を紡がない、くちびるをどうすれば。
「…….出逢った、意味」
あんたに出逢った、意味 劇場を強いられ続けた意味
知らない街で揺れる長い髪に重ねて出逢う意味
とっさに爪を。
爪を、立てる。
ただ抗議として。あっけなく刺さる、いくつもの爪痕を望まず途方に暮れる
見上げる琥珀、寄る眉に
(「花路」「それぐらいに」)
(………「龍」とは、どうしていつも)
(いつも敷いた答えを、塞ぐ)
答えを敷いておきなが、ら
思考がまとまらない
今ここにある、意味。
涙なく
初めて呟きなおす、仕舞われていた言葉
そう、出逢った、意味
渋面も忘れて。
ただ吐息が、邪魔。風が優しげでも、今はおのれの吐息が、邪魔。
「ずいぶん難解…….」
怪我に構わず
くす、と笑う笑み聲にどこか……眩暈がした。
その笑い方を、いつから?
出逢った意味。
それは、ただ爪痕に残るものではなかっただろうに。
手応えすら、嫌。
(……..土を削らない指先なだけ、まとも?)
(泥を抉らないだけ、この手指は、まとも、か……..?)
傷のない肌に汚れた、この手指の、どこが、まとも?
「っ」
「言わないこと」
例えば答えを省くこと。いい?
その囁きが傾ききっててゆく感情ごと髪をすべる
省いた答えを手繰るのがーーーーどれほど厄介か知りながら?
呼吸を求める。それだけが約束事のよう
そば近い笑み。が、もう危うい気がして。とっさに甘んじる、
答えを攫う双眸
答えは、どこ。
いつから、この心の有り様がどこ
頑なであることが、矜持は、何処
逃げも隠れも、そのまっすぐさをおのれで持て余してひさしい
「…………..世話が焼けるよ、ね」
草郎という甘いお菓子を
ただそれだけを大切に、と。重ねて頼み込んでいたおのれの、かつての声音。
あなたにとっての生涯の花を、
「しつこい」
この街にあるうち
染めあう諦念は、何。
頬の輪郭を手指で知ること。それだけが贅沢と。思い込んできたのに?
おのれに裏切られている。
それだけ、たぶん伝わり続けて。
厳しい思考を力失う指先を、せめて、今すこしだけ、明るくなる世界を待って、まだ横へ
生き急ぐ
たとえば花が灰になる、手前
春前の。
一瞬、また窓から紛れ込む花の香り
答えは、どこ。








