「龍」と呼ばれる人物に、立場を超えた崇敬や真摯を見たか、まるで定かではない。それが全シリーズ読者と、あまり相違ないことを願います

今となっては

【龍】と呼ばれる四市の主人。
その、ことごとく

全員について。
手に負えた試しはなかったが、と、そろそろ苦笑がすり減ってゆく。

「尊敬、できていたのだろうか。義礼でない意味で。他市の『龍』を。俺は…..」
「わたしに訊くな」

「尊敬すべき発言は………統治に足る、文脈は、あたかも……まるで.。なかったかのように思えるが」
「それは当然。
 だいたいが「大龍」なぞ異国の女性をひとり、発狂させただけだろう。
 都合よく信じておけば、それでまるで安泰と思い込んだのが西の民。
 忘れたか。後悔するぞ、の言葉をおまえが容易く忘れていたからだろう」

恫喝も。

後悔する、の宣言も、
まみえた最初の春、すでに警告はあったと愉しげに笑う銀灰を
軽く睨む。

「あんたを凌ぐほどの性悪しか、結局、他の3市で見かけなかった。
 そう、まとめて囀っておけば満足なのか」
「最近、剣呑に過ぎる気がしないか」
「だれのせい……!」

まだ見ぬ龍を探す意図は、なく
「龍」の椅子に在り続けた人物に想いすら抱かず。


それでも迷い込むそれはたぶん………


「…………おさな子」


どこか、予測していたと言わんばかりの銀色に、ひっそりと。
おまえらしい、という瞳の細め方が


どこか同じ方向は見ているのだと。
本物の龍は、きっと幼子のかたちをして。

善悪のわかれる場所まで、きっと
その子どもが


本物の星を、指さすであろうから。

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