レトワールL’etoile(星)を巡って<1>

今回はレトワールの創作を巡って、少しだけ。
創作エピソード的な。

ご興味のある方だけ読んでくだされば。という、長文の記事です。
歌詞世界は、第一段階(2005年)と、
大きく変更後の第二段階(2020年)になりました、という、こぼれ話を。

L’etoileは、フランス語のタイトルを羽鳥で、名付けさせて頂きましたが、
メイン歌曲の「イオニュセオ」につきましては、
羽鳥の造語。ではなく、

旧友の送ってくれた冬の詩のタイトル「イオニュセオ」をそのまま継続させて頂きました。

タイトルはそのままで、何もさわらず、とすることで、
海外を沢山巡ったあとで、もう10年も連絡の取れていない旧友に、
ちいさな灯火を届けたいな、という、ささやかな意図もあります。
元気に暮らしているのだろうなと思っておりますが。。
どこの国で編集者をしているのかいまいち分からないのです^^日本じゃないかもしれません

イオニュセオ。
私は、イオは自我という意味合いに取りました。一方ニュセオは、フランス語の夜「ニュイ」と
音の響きが似ているなと当初から思っていました。

イオニュセオと題した詩を、羽鳥へ送ってくれた友人は、
日本人でありながら海外の方々に好まれる、不思議な波長を持った人で、
お守りがてら、異国に向かうスーツケースに、沢山の鈴をつけて一人旅していた。
難を逃れるたびに、鈴が消えるから、お守りとして立派に働いているのだと笑ってました。
よく効くのだそうです。

その友が、フランスとイギリス、それにエジンバラを旅したことまではわかっていて、
ヨーロッパに滞在している時に
冬、あるお城に、どうぞ滞在をしてゆきなさいと城主に招かれて、

お城で過ごしたことがある、らしく。

そのお城で、凍える窓を見ながら、一人旅なのだから、どうしたって孤独なのだけれど
一人で過ごす城の、雪を踏み割る音を聴き、明け方の窓を見て、
つらつらと雪景色を眺めている夜、
異国の冬は
視界が万華鏡に似ていると、そういう詩を書いて、私までメールで送ってきてくれました。

その詩を書いてくれた友人のみていた景色と、めぐらせていた本当の想い。
それは本来その人しか分からないのですが、詞がとても、あまりに綺麗だったから。

作曲は全く迷わず「詞先」で、わたしは日本にいるまま、メールで受け取ってから
最初からラストまでメロディーだけは、多分1日、2日ぐらいで出来ています。
勝手にできた感じ。でした。

その当時は、その歌は、
今回リリースいたしました星の、明るく穏やかな「希望」の境地の曲ではありませんでした。

どちらかといえば、未踏の地へと駆り立てられてゆく切迫を描いた詩であったし、
当時の私も、どちらかといえば追い詰められてゆく曲調が得意だったので
明るい作品として作曲したわけではなかったな、と、今も思います。

今年2020年にリリースしたイオニュセオは、
実は、その「元の詩」の「タイトル」だけを残して、メロディも全て残していますが、
肝心の歌詞はといえば、ほぼ全てまるごと、変えています。
元の詩は、いうなれば友人の独白でした。外国で綴った日記というか。

一方で5月CDのほうは、独白ではなくて、
多くの宛先へ届けたい、全く別の物語、メッセージとして、
羽鳥で全てを変更させていただいています。言葉を。

もともとの冬、凍る、銀色の鈴、雪、といったキーワードだけは残したあと、
ニュアンスもすべて羽鳥で書き換えさせて頂きました。
友は少しも怒らないだろうな、と思っています。違うものだから。

曲の元は、すでにメロディだけは2005年には、あったこと。
そこから15年を経て、ほんとうにこの曲が世の中に届けたかった景色や祈りを
何より、今わたしが解き放ちたい言葉を、
ちゃんと掬い取れるよう、ようやく私自身が変化したのもあって、
今回のMaxi CD 「L’etoile」は成立しています。

オーロラ、とか、
北欧の星、とか、希望として聴ける、繰り返し流している、といった、
肯定的で美しい連想ばかりを男女問わずお寄せ頂きまして、とても幸せです。

よろしければご感想や、
次に聴きたい曲の風景や季節なども、ふと思い浮かんだ方は、
ご自由にお寄せくださいませ。全てありがたく拝読しています。

レトワールを巡って「1」でした。1ということは2もあると。。

エジンバラを旅して無事に帰国した友人は、あまりに旅人が似合う人なのですが、
いつかこの歌が届くといいなと、ひっそりしっかり願っています。

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