リフレイン
の つなぎ と こたえ と 静寂と。
満月の頃には
歓びも 悲しみも
すべての感情が増幅されやすい と言われています
そんな言い伝えを
ふだん気にかけず暮らしていても
イメージ力の 強い人間にとっては
たとえば誰かの物語を 追うと
胸に挿し込む痛みに 駅の階段で立ち止まることがある。
その痛みの原因を明確に掴む前に
これは一種のストッパーでもある、と、気付いている。
わたしが積み重ねた記憶は
宝 で 枷 で
ところどころは混沌で消えていて
受容してきた記憶と
断絶して途切れたはずの 景色
だれかの 悔いと
遠く 交換してきた 幾つもの色彩と
かすかに
問いと 会話と 雨と 切り取られた場所で降り続くもの、痛み、
芯と 人影を 波音にさらう。
(お客様に背を向けて弾くことで)
(客席を水没させてはいけない、気をつけるように、と)
(親友から教えてもらったのは10年ほども前だったでしょうか?)
おかげさまで 音で ちいさな空間を溢れさせ決壊させることはすっかり、なくなった。
適度な水 と 適度な炎
適度な涙 と 適度な笑み
生きるのに最適なバランス。生きるために心地よい風の強さ。
『バランス』という課題は
いつも いつでも わたしにとって手探りで
あっという間の、全力の、10年。
降る 柔らかい日差しの中で
気づけば
背中に
いくつかのお守りを いただいている。
もう 深海に沈むことを終えたいな、 と
うかぶ、浮力に気づく頃
秋の季節
知らない子供たち
綺麗に晴れた空ばかり あつめて
だれかの声を いったん、すべて、空白にあずけて。
未だに
わたしは魔法を扱う修練の、途中